遺言イメージ

年齢に関係なく感謝の気持ちを遺言で伝える

自分が生まれてから今までの間、多くの人たちに抱きかかえられ、優しさや厳しさなどの感情をたくさん与えてくれました。
思春期を迎え両親に反抗的な態度をとり、今となっては申し訳ない気持ちでいっぱいです。
こんな私をいつも暖かく見守ってくれてた母や、間違った方向に向かないように厳しく叱ってくれた父に対して感謝しています。
共働きだったので祖父母や叔父叔母などに面倒を見てもらっていました。
私は兄弟がいないので不安がると必ず大人がついていてくれました。
さみしい時も不安な時も楽しい時も必ず誰かがいました。
両親や周りの人への感謝の気持ちを書き残すために、この年齢で書ける遺言を残そうと決意しました。
普段恥ずかしくて面と向かって言えないことを遺言という形式にすれば素直な気持ちを出せると考えたからです。
私が幼稚園に通ってた頃、父は左官をしていました。
常に体を動かして高所などに登ったりしてとても危険な仕事をしていました。
あるとき、幼稚園から帰ってきた私に母が「お父さんが怪我したから病院行くよ」と言い、子供の私には事態を把握できず、ただ母に手を取られ病院に行きました。
ベッドの上横になってる父は足に包帯を巻かれていました。
屋根から落ちたそうです。
父の顔を見ると痛そうな表情をせず、いつもの笑顔の父でした。
今振り返ってみると、子供に心配させまいと懸命の笑顔でいたのだと思います。
この事故からしばらく経ち、責任者として部下を連れて移動することが多くなりました。
部下からはとても慕われていたらしく、尊敬する父でしたが、疲れやストレスによって血を吐き、胃潰瘍で倒れました。
母と病院に行くと足を怪我したときの父の笑顔はありませんでした。
ベッドで横になっている父は痩せて元気な父はいません。
私は懸命の笑顔で「びっくりした」と言うと父は「死ぬかと思った」といつものより少し弱めで優しく微笑みました。
足を怪我した時からずいぶん成長した私はどれだけ父が体を張って仕事に打ち込んできたかを知っています。
長年の疲れが溜まってきたのでしょう。
命が助かってよかったとホッとしたのと、これからは父や母に楽をさせたい気持ちが溢れてきました。
当初、学生だったので何もしてあげることができませんでしたが、今は少しだけ親孝行ができていると思います。

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